[本]大往生したけりゃ医療とかかわるな/中村仁一


 

昨年12月には50万部を超える発行部数となった大ベストセラー。著書のタイトルからして、すごい興味があったのですが、やっと読了。実は副題の『「自然死」のすすめ』がメインの内容だったのですね(と、読んでから気づきました・・・)。

要は、人間として繁殖を終えた老年世代においては、天寿(予め定まっていると考えられる寿命。「天寿を全うする」という言葉で用いられる。)によるがんとわかったときは、過剰かつ攻撃的な治療はせず、残りの人生の質を高めて生きることをすすめるというもの。そしてそのような過剰な治療、延命治療を行わない最期は苦痛もなく、安らか(モルヒネ様物質が出ている状態になるということ)に死を迎えることができるということ。

近年の日本は死を避ける社会となっていたと思われますが、ここ最近になって、例えば自宅での看取りをテーマにした番組がNHKで流れるなど、高齢化社会を睨んで徐々に死というものを身近なテーマとして扱うようになったと思います。また、そのきっかけの一つが東日本大震災であったことも否定できないかと思います。

本書のやり方・考え方を好む人、好まない人がいると思います。さらには、やはり死を直前とした場合に状況により、その考えが変わることがあるかもしれません。でも、死を迎える方法としての一案として、読んでおいてよかったと思う一冊でした。

会社の近くで開催される会(三鷹、自分の死を考える集い)もウォッチングして、タイミングを見計らい参加してみようかなと思いました。(ウォッチングのために本書のFacebookページも「いいね!」しました)

—-

  • 繁殖を終えた年寄りには、「がん死」が一番のお勧めです。ただし、「手遅れの幸せ」を満喫するためには、「がん検診」や「人間ドック」など受けてはいけません。
    →それまで何の屈託もなく、自由に充実した毎日が送られていたわけです。痛みが出なければ、今後も体力が落ちて自由に動くのが難しくなるまで、普通の生活をすればいいのです。長生きも結構ですが、ただ長生きすればいいというわけでもないでしょう。どういう状態で生きるかが重要だと思うのです。
  • 治療の四原則
    (1)自然治癒の過程を妨げぬこと
    (2)自然治癒を妨げているものを除くこと
    (3)自然治癒力が衰えているときは、それを賦活すること
    (4)自然治癒力が過剰であるときには、それを適度に弱めること
  • 死に際は、何らの医療措置も行わなければ、夢うつつの気持ちのいい、穏やかな状態になるということです。これが、自然のしくみです。自然はそんなに過酷ではないのです。私たちのご先祖は、みんなこうして無事に死んでいったのです。
  • 本人が自力で食べられるというように、調理は工夫して目の前に置くが、手を出さなければそのまま下げてしまうという北欧式や、『「平穏死」のすすめ』(石飛幸三)の中に出てくる、、「栄養を取らずに横たわる人を、水だけ与えて静かに看取る」という三宅島の先人の知恵を、もう一度、噛みしめてみる必要があると思います。
  • 口から一滴の水も入らなくなった場合、この2週間、14日間というのが、一つの壁、限界なのではないかと思います。(「テリ・シャボイさん事件」)
  • (抗がん剤が「効く」と採用される条件は)がんの大きさ(面積)が半分以下になっている期間が4週間以上続くこと、そして、抗がん剤を使った患者の2割以上がそういう状態を呈すること
    →逆に言うと8割もの患者が反応しなくてもOK
  • 『天寿がん思想』(by癌研究会研究所名誉所長 北川氏)
    (1)人は皆、生まれたときに天寿を授かっている(必ず死ぬということである)
    (2)病気や事故に遭わず、安らかに天寿を全うすることは、祝福されるべきである
    (3)超高齢者のがんは、長生きの税金のようなものである
    (4)超高齢者のがん死は、人の自然死の一型とも考えられる(3分の1の人々は、がんで亡くなっている)
    (5)天寿がんなら、がん死も悪くない
    (6)天寿がんとわかれば、攻撃的治療も無意味な延命治療も行わない
  • 三鷹、自分の死を考える集い(by 醤野 良子さん)
  • 自分の死を考えるための具体的行動
    (1)遺影を撮る
    (2)遺言を認(したた)める
    (3)別れの手紙、録音、録画を準備する
    (4)「余命6カ月」を想定し、したいことの優先順位を書き出す
    (5)死装束を誂(あつら)う
    (6)骨壷を用意する
    (7)棺桶を手に入れる(入ってみる)
    (8)事前指示書を完成する
    (9)献体、臓器提供の手続きをする
    (10)墓地、霊園を手に入れる
    (11)戒名をもらう
    (12)散骨の手続きをする
    (13)人生の節目に”生前葬パーティ”を行う
    (14)事あるごとに家族や周囲と「死」について語る
    (15)物の整理をする

—-

下記にその他の死をテーマとした本ブログで紹介した本を示します。ご参考まで。

yanchablue について

通信系会社でシステム開発を中心に従事。趣味はスポーツ(サッカー)、読書(雑読)、日曜プログラミング(仕事ではプログラムを書けない分類になってしまった。)。横浜市金沢区在住。札幌市出身。
( Twitter @peter_luck )

カテゴリー: 本棚 タグ: , , , パーマリンク